館内のカーペットの張替えなど内装工事のタイミングにて、階段の腰壁を覆う真鍮壁の甦生依頼を頂きました。
見上げてみると何とも言い難い風情です。
金属という感じが伝わってこない・・・
何かが塗られているような感じです。刷毛の塗り筋も見えます。とりあえず一部研磨してみます。すると何かが剥がれました。
真鍮は酸化してくすむので、それを先取りしたエイジング塗装でしょうか。
ホテルの皆さんは、このきたなく見える塗り物が嫌だそうで、剥がして磨いたらどうなるのか?
とのことで柱の脇を磨いてみます。
新鮮な真鍮の肌が綺麗に出ました。
次は手すりや壁でとのこと。
一番左上の板を磨いてみます。
真鍮はただでさえ柔かいのに、一片がとても大きな薄板なのでべこついて、固い柱を磨くようにはいきません。
とはいえ綺麗な顔が出ました。
ホテルの皆様は大変喜ばれ、手すり・上裏含めて全面施工することになりました。
高所なので足場を組みます。
塗り物を薬品で弱らせ、研磨で削り取り、工程を踏み細かく磨いていききます。
仕上は真鍮が酸化するのを防ぐコーティング。
眩しい現場となってきました。
階段の絨毯が赤から青へと変わり、壁の黄金色ととても調和しています。
階段周辺も明るくなりました。
ホテルの皆様にも無事喜んで頂け、なによりです。